のどの病気の症状、原因、治療法をご紹介します。
詳しくは、来院のうえご確認ください。
急性扁桃炎
症状
通常、のどの痛みから始まり、悪化すると食べられない、唾液が飲み込めないなどのつらい症状が起こります。また、高熱が出たり、関節痛や頭痛が起こることも。首のリンパ腺が腫れることもあります。扁桃腺が赤く大きく腫れ、白い膿が斑点状についたり、膿が扁桃腺を覆って扁桃腺全体が白くなってしまうこともあります。
原因
いわゆる「喉のかぜ」が原因です。かぜを引き起こすウイルスや細菌が扁桃腺に感染し、炎症を起こします。
当院での治療
炎症の程度が軽ければ、抗菌剤の内服のみで治りますが、炎症が強く痛みがひどい場合は、脱水防止もかねて抗菌剤の点滴を行う必要があります。また、補助的な治療として、吸入を行い、ルゴール液という薬を扁桃腺に塗る場合もあります。
溶連菌感染症
症状
のどの痛みや発熱、とびひ、首のリンパ腺の腫れといった症状のほか、舌の表面が赤くブツブツ(イチゴ舌)になります。またこれらに加えて、全身に赤い発疹が現れる場合もあります。
原因
溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌に感染して起こる病気です。この菌は感染力が強く、一度かかると繰り返しかかることがあります。
対処法
抗菌薬を1週間ほど服用します。薬を飲み始めて2〜3日もすると症状が軽くなりますが、症状が消えてもきちんと最後まで薬を飲み続けてください。途中で薬を中断すると、再発したり、腎炎などの合併症を引き起こすことがあります。
声帯結節(声がれ)
症状
「声がかれる」「声がうまく出ない」「がらがら声」などの症状です。のどに異物感を感じる人もいます。声帯が強くこすれ合う回数が多いためにできてしまった、「ペンだこ」のようなものです。声帯ポリープの一種で、悪性度はありません。
原因
大声や高い声を出し続けているなど無理な発声を続けてしまったため、声帯に負荷がかかり、声帯の一部に「ペンだこ」のような小さなこぶができてしまったことが原因です。
お子さんの場合は、声を使わずにいることが難しいため治りにくく、声枯れがしばらく続きますが、一般的には数カ月から1年くらいで改善していきます。
当院での治療
声を極力使わないようにすることが、一番大事です。また、当院で行う吸入療法も声帯の腫れを軽減させる効果があります。吸入のみの治療に通っていただくことも可能です。消炎剤などの内服療法を行うこともあります。
クループ
症状
1〜3歳児に多い病気で、そのほとんどは「かぜ」から移行し発症します。多くの場合は発熱が現れ、せきが出るようになり、次第に「ケンケン」といった犬やオットセイの鳴き声に似たせきをするようになります。また、声がれも起きてきます。そして、空気の通り道である気道(気管の入り口)が腫れて狭くなるため、呼吸をする時に「ヒューヒュー」という音を立てるようになり、さらにひどくなると呼吸困難になることもあります。
原因
かぜが引き金でなりますが、声帯の真下にウイルスや細菌が感染して起こる急性の炎症です。5歳以上になると気道(気管)が太くなるため、この病気にはほとんどかからなくなります。
当院での治療
「のどの吸入」を1日に1〜2回行い、抗菌剤や気管支拡張薬を服用していただきます。症状が重い場合や急に呼吸がしにくくなる場合は、市民病院などに入院していただき、治療をすることもあります。
扁桃腺肥大
症状
軽度の扁桃腺肥大であれば、特に症状はありませんが、左右の扁桃腺が真ん中でくっついてしまうほど大きいと、「いびきが大きい」「寝ている時に息が止まる(睡眠時無呼吸)」「よだれが多い」「食べるのが遅い」「飲み込みづらそう」などの症状が出ます。
原因
かぜが引き金でなりますが、声帯の真下にウイルスや細菌が感染して起こる急性の炎症です。5歳以上になると気道(気管)が太くなるため、この病気にはほとんどかからなくなります。
当院の考え方
検診や小児科、内科で扁桃肥大と言われても、先に述べた症状がなければ、様子をみればよいでしょう。しかし、上記の症状がいくつかあったり、症状が強ければ、手術で扁桃腺を取ることをおすすめします。多くの場合が手術によって症状が改善します。なお手術は入院が必要となりますので、市民病院などにご紹介をします。
アデノイド肥大
アデノイドとは?
鼻の奥、のどの一番上にあり、口を開けても見ることができないため、診察では内視鏡を鼻から挿入して確認します。
アデノイドは4〜6歳頃に最大となり、その後次第に縮小していきます。思春期以降は、ほぼ消失するのが通常ですが、その大きさによってはさまざまな症状を引き起こします。また風邪をひくと大きくなる場合もあります。
症状
アデノイドが大きい場合に、次のような症状が引き起こされます。
- ◎鼻の症状:鼻づまり、口呼吸
- ◎耳の疾患:滲出性中耳炎
- ◎全身症状:睡眠時無呼吸症候群、いびき、哺乳障害
当院の考え方
アデノイドはどのお子さんにもあるのですが、あまりにも大きいと上に述べたような色々な症状や病気を引き起こしてしまいます。そして、その経過が長くなるとお子さんの成長の妨げになることもあるため 、手術で切除することも検討します。
のど風邪(咽頭炎)
咽頭炎とは?
「のど風邪」のことを咽頭炎といいます。咽頭の粘膜に風邪のウイルスや細菌が付着して感染、炎症が起きた状態が咽頭炎です。特に上咽頭の炎症を上咽頭炎と呼びます。
症状
多くの場合が、のどの痛み、痰のからみを自覚します。さらに炎症が強くなると、のど粘膜が化膿し膿が付くようになり、発熱や頭痛、関節痛、身体のだるさなどの風邪の症状を自覚するようになります。また、耳のつまりを感じることもあります。
当院での治療
抗菌剤や去痰剤、消炎鎮痛剤の内服薬の処方をします。またうがい薬やトローチを処方する場合もあります。炎症が強く、症状も強い場合は点滴治療を行います。また、吸入療法(ネブライザー)を行うことで、のどの腫れを鎮める効果が期待できます。
いびき
症状
いびきがひどくなると、息が止まってしまう無呼吸が起きるようになり、十分な睡眠が取れなくなります。そのため、起床時の不機嫌、おねしょ、昼間の活動低下、成長障害、多動、注意欠陥障害、学習障害などが現れることがあります。また、睡眠中、息を吸うときにいびきとともに胸がへこんでしまう場合は、肺への空気の流入がかなり悪い状態といえます。くなると呼吸困難になることもあります。
原因
子どものいびきの多くは、のどにある扁桃腺やアデノイドが大きいことが原因となります。のどの空間が狭くなり、いびきをかくようになります。また、アレルギー性鼻炎(花粉症)や鼻かぜ、副鼻腔炎(ちくのう症)で鼻づまりがあると、いびきになることもあります。
当院の考え方
鼻が原因の場合は、それぞれの鼻の病気の治療をすれば改善するでしょう。扁桃腺やアデノイドが原因の場合は、扁桃腺摘出術やアデノイド切除術などの手術を行うことで、劇的にいびきの改善が見込めます。お子さんのいびきが大きければ、積極的に手術をおすすめします。ただ、手術となると迷うご家族の方もいるかと思います。そんな時は、実際に手術を担当する市民病院などを受診し、意見を聞いてみましょう。ご希望があればいつでもご紹介いたします。
アデノウイルス感染症
症状
主に乳幼児から学童・生徒などに多く見られる、夏に多発するのど風邪のひとつです。潜伏期間は5〜7日間で、のど全体が赤くなって強く痛み、扁桃腺に白っぽい膿が多数ついたりします。また、39度前後の高熱が3〜5日続き、その後次第に治っていきます。また、結膜炎を起こし目やにが出ることもあります。
原因
プールでの感染が多くみられることから「プール熱」とも言われていますが、原因であるアデノウイルス自体には季節性がないため、夏季に限らず一年を通して流行する場合もあります。
当院での治療
原因となるウイルスに効く薬はありません。痛みや発熱の症状が強ければ、解熱鎮痛剤を使用し回復を待ちます。